
尾道の名物犬、「ドビン」が死去。本名「ロビン」だったそうですが、それがナマって「ドビン」になったという、なんともユニークな経歴を持っていますね。
多くの人にたいせつにされ、死してなお人々の心に印象を残す、すばらしい犬だったのだと思います。
命が失われてしまったことは残念でなりませんが、きっと悔いのない一生だったと思いますし、幸せな人生を送ることができたのだと思います。きっと天国でもたいせつにされているのでしょうね。
【広島県尾道市の観光ガイド犬として親しまれてきた「ドビン」が今月3日、死んだ。うるうるした愛らしい表情に、おっとりした性格で、市民や観光客から愛され続けてきた。「ありがとう」「安らかに」…。地元ではファンによる法要が営まれたほか、追悼や感謝のメッセージがいまなお全国各地から寄せられ、その存在がいかに大きかったかを物語る。(杉原松二)
長年世話をしてきた同市土堂の自営業、浜野晴子さん(50)によると、ドビンは老衰で6月末から体調を崩していた。浜野さんは2日間徹夜で寄り添い、最期を看取った。「眠るように逝った」という。18歳、人間でいえば90歳で、天寿を全うしたといえる。
死から1週間後、ドビンがお気に入りだった商店街にある浜野さん宅に、焼香の場が設けられた。遺影が飾られ、遺骨が置かれた祭壇に訪れたファンらが次々と手を合わせ、冥福(めいふく)を祈った。その光景に、浜野さんは「おとなしい性格で、ほえるようなことはなかった。こんなにも多くの人に愛されていたんだなと改めて思いました」とドビンをしのぶ。
ドビンは飼い主が転居していなくなった後、観光ボランティアガイドの男性について千光寺山などのコースを同行。そのうち単独で観光客の前を歩くようになった。「まるでガイドしているようだ」とメディアでも取り上げられ、一躍、人気者に。尾道を訪れる観光客の中にはドビンを探す人もいたという。
平成17年12月からは、千光寺山中腹で写真館を営む写真家、山中仁さん(52)が、ブログ「ガイド犬ドビンの尾道放浪記」を開設。「犬の目線」で見た尾道のさまざまな話題を、ドビンの写真とともに発信し続けた。そのブログもドビンの死で今月5日付が最後となった。
「ずっとずっと忘れません」「天国でも元気でいてください」。その後もブログには、全国のファンからこんなメッセージが続いている。
山中さんは「普通のワンちゃんじゃない雰囲気を持っていました。人に対してひどく優しく『人間好き』の犬。たぶん『人間のそばにいると安全だ』などと学習したのでしょう」と話す。
当初、ブログなどで「ノラ犬のガイド犬」と紹介されたため、野良犬と誤解を招いたこともあった。確かに晩年のドビンは飼い犬ではなかったものの、畜犬登録され、狂犬病の予防注射も受けるなど、野良犬でも飼い犬でもない存在として周囲の人たちから温かく見守られ続けてきた。
「かわいくて、癒やされました」。法要に花束を持って訪れた地元の自営業の男性(29)はドビンの死を悼む。
ドビンに「癒やされた」というファンの声は多い。見守られていたのはドビンではなく、私たち人間だったのかもしれない。
山中さんは「ドビンはやはり特別な存在でした」と哀悼する。
【プロフィル】ドビン
広島県尾道市生まれの雑種の雌犬。もとの名は「ロビン」だったが、なまって「ドビン」と呼ばれるようになったという。飼い主がいなくなり、尾道の観光コースを徘徊(はいかい)するうちに周囲の人たちの世話を受け、「観光ガイド犬」として人気者になった。その功績をたたえ、昨年夏には地元の小学生らによってドビンの石像2体が作られた。】